突然だが、不破だ。
今回緊急の要請により、俺の考察を一つ、紹介しようと思う。


GKの条件


今回の議題は、「いいGKの条件とは何か」だ。なぜ数ある議題からそれを選んだのかといえば、答えは簡単だ。
サッカーというものを知って日の浅い俺は、GKとしてまだまだ未熟だ。これはデータに基づく客観的事実である。ならば、向上のために必要なものは何なのか。
『うーん、うまくなりたいなら、参考にできそうな、目標となる人を見つけることも大事かもね。』
なるほど、つまりそれが風祭の急激な成長の理由ということか。ならばその目標とやらは一体―――――否、今はそれについての考察は自粛しておこう。議論をすり替えてはならない。
話を元に戻して、つまり先日の風祭のこの言葉で、この議題に一考の価値あり、と判断したのである。


では、考察対象を誰にするか。数いるGKの中でも、手本となる「よいGK」を選び出さねばなるまい。検討の結果、渋沢、そして功刀を対象と定めることとした。
渋沢は名門武蔵野森、そして東京選抜でも正GKを勤め、「中学サッカー界の至宝」とまで謳われる。押しも押されもせぬ「よいGK」と言える。
そして功刀。こちらは九州選抜で正GKを勤めている。渋沢とは対照的なプレイスタイルと、あの身長で1番を勝ち取っているという事実より選定した。九州では無失点記録を更新しているらしいので、こちらも申し分ないだろう。

まずはそれぞれのプレイスタイルの特徴から挙げてみる。
渋沢。こちらは恵まれた体格と頭脳、冷静な判断力、そして大きな信頼感によりゴール前にがっしりと構えている。所属するチームのレベルが高いことも手伝って、そう無茶に前に出ることはない。最も安定感のある、ベーシックなタイプと言えよう。
対する功刀。GKとしては背が低く、体格に恵まれているとは言いがたい。しかし堅固なDF陣との連携はなかなかのもので、普段は泰然としてゴールを守っているが、有事の際には激しい檄を飛ばし味方を鼓舞する。また、積極的に前に出て、アクロバティックなプレイで観客を沸かせた過去もある。まさに渋沢とは好対照と言えるだろう。


ふむ……ここまででは、この二人に共通する「よいGK」の条件は見えてこない。まだ観察が足りないのだろうか?何か見落としているものがあるはずだが……。
「キャプテン聞いてくださいよ!!鳴海の奴また!!」
「あぁ、わかった、聞いてやるから落ち着いて話せ……。」
うむ、こちらはいつも通りの光景だ。
「カ〜ズさ〜ん!!待ってくださいよ〜!!」
「せからしか!!さっさとせろ!!」
なるほど、普段から激しい叱責を浴びているのだな。この反応も対照的だ……




そうか、ここに共通するものがあったのだな。なるほど、気づいてみると何ということはない。
では、俺の考察結果を記すことにしよう。渋沢と功刀、この二人に共通するファクター。

それは、『犬を飼っている』ことだ。
実際の例を挙げて説明しよう。犬というのは、つまり渋沢には藤代。功刀には高山という、始終ついて回る騒がしい後輩がいるのである。ちょろちょろと後をついて歩くその姿と、そしてそれを受け入れ世話してやっている姿は、まさに犬と飼い主のようだ。
なに、功刀の反応は違うのではないか?確かに一見すると、乱暴な言動は高山を遠ざけたがっているようにも見える。
しかし、ここで先ほどの発言に注目する。「待ってくれ」と追いかける高山に、功刀は「早くしろ」と言っている。どうだ、多少表現に差はあるが、渋沢も功刀も後輩を可愛がっているさまが見て取れるだろう。


犬といえば…風祭も犬タイプだな。そう考えると、佐藤、いや藤村というべきか?藤村も同じ条件を有しているな。藤村はかつて桜上水の守護神として武蔵野森と対戦したこともあったか。ふむ…ならば、この考察対象に藤村も加えるとしよう。
(尚、風祭の飼い主的立場には椎名も大きく言えるとは思うが、彼はGKではないためここでは除外することにする。)
そう考えると、風祭・藤代・高山は小型・中型・大型犬としてもいい。性格的にも、そして何より身長順に並べるとまさにぴったりだ。これは賛同するものも多いのではないだろうか?


そうそう、一つ忘れるところだった。共通のファクターはもう一つ。
『三人組である』こと。これもかなり重要だと思われる。
功刀・高山の場合、お目付け役のような立場で城光。藤村・風祭の場合は水野であろう。こちらは城光より大分犬に甘いように見受けられるな。少し休めという場面は多々見られるが、間違いなく罰走を申し付けたりはしないだろう。
渋沢・藤代の場合は少々難しいのだが…まぁ無難に言って、三上であろう。以前武蔵野森へ調査に行った際も、何やら藤代と言い合っていたようだったしな。



これらの結果から、結論。『いいGKになる条件は、犬を飼い、三人組で行動すること。』
早速参考に、実践してみることにする。



しかし、実践しようにも人材をどこで得るべきなのか……
「大地、どうした?考察が行き詰ったようだな。」
「京介か。」
ここは一つ、はとこの京介に事の次第を話してみるか。
「……というわけだ。」
「なるほど。それならば簡単だ。今日からは俺が共に行動しよう。幸い犬的性格の友人が一人いる。」
ふむ、それならば話が早い。
「では早速その友人の下へ案内してくれ。」



「え、誰?ていうか、何、ちょっと、い、いやーーーーー!!!



友達と話していて生まれたネタ。ギャグな昭カズ風味に書き直そうと思ったんですけど……ギャグでも昭カズでもないっていう。
たまにはこういうのも、いいです、よ、ね……(逃)
不破君と京介のダブルパンチなんて、さすがの彼もきついでしょうねぇ…南無。