よいこのみんな、こんにちは〜!佐助お兄さんだy…って痛い痛い石投げないで!わかってるよ今ちゃんと双竜出すから暴れないで落ち着いて!
…そ、それじゃあこれから、ジャイアン第二部、始まるよ〜!
ジャイアン、泣き咽ぶ!
運命のあの日から数ヶ月、今日から二学期が始まった。
朝一番、靴箱の前で眼帯のイケメン君がぐしょぐしょに涙を流しながら頬傷の男前に抱きついてわんわん泣いた騒動があったり、鬼コーチ効果か夏休みの宿題をきちんと揃えて提出した一年代表困ったトリオに先生方があちらの岸に旅立ちそうになったり、相変わらずの騒がしさの中で。
夏といえば、海に祭りに花火にプール。イベントもラブチャンスも目白押しな季節。その上夏休みという長いフリータイムが明けたにしては、政宗と小十郎の仲は進展していなかった。
それもそのはず、我らがジャイアン様は親玉二人組(親父殿とジャイアンぶりの師匠様)による厳命で、夏休み中いっぱい、海外の支社グループの視察に同行させられていたのである。
「ご、ごじゅろぉ、おれちゃんと宿題やった、約束守った!」
「あぁそうだな、がんばったな。」
「脱走もしなかった、こじゅが、ちゃんと跡取りの役目を果たせって言ったから、おれ」
「うんうん、そうだな、偉かったな」
午前のみで終わった初日、周りが気を遣ってさかさかと帰ってしまった教室で、政宗はずびずばと鼻をすすりながら小十郎の膝の上に丸くなっている。
無駄に長いだけの夏休みなんて、嫌いだ!
大好きな小十郎の大きくて温かい手にぽむぽむと撫でられながら、硬い腹筋にぐりぐり頬ずりしていたら、ちょっとずつ安心が込み上げてくる。
あぁ、ここに帰ってきた。地獄の日々は終わって、あったかい、しあわせな、自分だけに許された陽だまりの中に。
「小十郎……俺、おれな……っ」
「政宗殿!片倉殿ー!誉めてくだされ、某今日提出の宿題を5割自力で解けたのでござるぁあああってぼへあああああ!!!」
「あーーーだから乱入するなって言ったのに旦那ぁああああ!!!」
「おぅ政宗ー。今日のツーリングってうぉおお何だこっち飛んでくんな真ふべぎゃ!!」
相変わらず空気を読まない真田(左頬が大福みたいに膨らんでいる)、タイミングの悪い元親(吹き飛んだ真田を顔面キャッチして廊下に伸びている)(ついでに「邪魔ぞ!」と誰かさんに思い切り無防備な腹を踏まれていた)、雷をまとってふーふー肩を怒らせる政宗。
「政宗殿、何故いきなり襲い掛かってくるのでござる!?不意打ちとは卑怯な!そんな男とは思っておりませんでしたぞ!」
「俺と小十郎の感動の再会timeを邪魔すんのが悪いんだよバカ!ボケ!」
「ば、バカ!?ボケ!?一体ぱーりぃ野郎なご自分を棚に上げて何を言うと思ったら」
「幸村テメーどういう意味だごるぁあああ!!」
「いでででやめろ!お願い殴り合いなら俺の上から退いてからにして!ほんと頼むから踏まないでちょっとアニキ助けてぇえええ!!」
一気に喧騒に包まれる一角に、小十郎と佐助はそっと視線を逸らす。
あぁ、学校生活始まったんだなぁ。そんな実感を、今日のどんな瞬間よりも強く感じた自分に、ちょっとうんざりした。
そんなわけでジャイアン第二部・二学期の始まりです。
夏のアバンチュールは、大人の事情でなかったことになりました(ごめんジャイアン様…!笑)
二部では次回から色々な人たちを出していきますわくわく!またのんびりお付き合いいただけると幸いですv