*転生ネタ。現代小政(一歳差とかで)



かた小


こうしてお前に文を書くのは、とても久しぶりだな。
俺が奥州筆頭で、お前が竜の右目と呼ばれていた頃以来か。
二人で平和な時代に生まれて、以来お前はずっとそばにいてくれたからな。

別に大層な内容じゃない。
ただ何となく、普段あまり言えないことを、お前に伝えたいと思ったんだ。

あの頃、辛く思うことはたくさんあった。
人をたくさん斬ったし、親兄弟も手にかけたし、俺もたくさん怪我したし。
お前に、ただ好きだと、それだけを言うこともできなかったし。

勘違いするなよ、俺は確かに幸せだった。
思うように生き抜いて、お前が隣にいたからな。
晩年しばらく独りにされたことについては、今世生まれたその日からちゃんと顔を見せたから、それで許してやることにする。
懐の広い主でよかったな。

お前はいつも俺のために生きて、生涯一番の腹心でいてくれた。
それでも、やっぱり寂しく思うときもあったんだ。
愛していると、言い合いたかった。触れ合いたかった。抱きしめ合って、お前と繋がりたかった。はしたないとか怒るなよ。
それは俺が何より望んで、けれど生涯唯一願えなかったものだ。
お前は散々小言ばかり言ってたが、俺はちゃんと立場ってもんを弁えてたぞ。
そういう意味じゃ、手も触れなかったな。子どもに返ったふりをして膝を借りるのが、俺の精一杯だった。可愛いもんだろ。
あのときは必死だった。そうして当然だと思ってた。
今じゃ何であんなに我慢してたのか、自分が可哀想でならねぇよ。

あの頃、胸を切り裂いて心なんぞ放り捨てちまおうと思ったこととか。
お前の愛する野菜共を、夜中のうちに焼き尽くしてやろうと思ったこととか。
独りになってから、俺の心は波風も立たないほど凍えてたこととか。
意味のわからねぇ透明な壁越しに、お前の可愛い姿を見たときの感動とか。
お前はきっと知らないだろう。

今、俺は間違いなく幸せだ。
前世じゃ知ることもなかった、お前のぷくぷくの頬とか手とかが少しずつ伸びやかに成長していく様を、隣で見てられたんだからな。
きっとお前も、同じことを思ってるだろ?何せお前は、小さい身体でいつも俺を抱っこしたがったからな。
今度は自然に恋仲になれたのも、最高に嬉しい。
まぁ、この時代にも色々面倒はあるが。どれも大したことはねぇ、瑣末なもんだ。
本当に、平和な世だな。お前がいなかったら、退屈すぎてやってらんねぇくらい。

まぁつまり、何だ。俺はとても幸せなんだ。
この平和な時代に、生まれた瞬間からずっと、お前がいてくれて。
お互いしっかり記憶があるのは、奇跡みたいなもんだが。きっと記憶なんてなくても、俺はお前を見つけたし、お前も俺を見つけてくれただろう。

これほど愛しい相手を知ってる俺は、世界一幸せ者に違いないな。
もちろんお前も。俺が保障してやるから安心しろ。

そういうわけだから、もう少し頻繁に、俺たちは睦み合ってもいいんじゃないかと思うんだけど、どうだ。
返事はいいから、今夜こそちゃんと訪ねて来いよ!






三日と空けずに通ってるんだけどと思いつつ、その夜訪ねた小十郎なのでした。
政宗様の作戦勝ち!(笑)