5万打感謝企画7「政宗×こじゅこ」
頭の中を巡るのは、かつて大ヒットしたバンドの曲。
友人の評価はいまいちでも、誰よりもshe so cute !!!!というあれである。愛の言葉に照れて顔を背けられても、KISSを迫って照れ隠しにビンタされても、握力が政宗の身長と同じくらい(ちなみに握力のギネス記録を調べた政宗は一瞬真っ白になった)あっても。
ビンタの後に、真っ赤な顔でしょんぼりしながら、上目遣いにこちらを窺う。その潤んだ瞳やちょっと尖ったぷるぷるの唇。もじもじと組み合わされる桃色の指先。
間違いなくこの世で一番、俺の小十郎子がsoooo cute !!!!!なのだと、政宗は自信を持って主張できる。
シュガー・ベイビー・ラブ!
そして今日、まさにこの愛が天の極みに到達し昇華されよう日が来た。
「政宗様!いらっしゃいませ、どうぞ入ってください」
クリーム色の壁に濃茶のドアの一軒家。ガーデニングで彩られた玄関先で笑うのは、政宗のmy angelである小十郎子。
ダメだ、眩しい。マジで天使の羽が見える。
小さな手に引かれ足を踏み入れた片倉家の中は、小十郎子と同じ甘く爽やかな香りがした。
お家デートしませんか?と誘われたとき、政宗は心の中で顎が外れそうなほど驚いた。
付き合って半年もゆうに過ぎ、まだ照れながらもキスを拒まれなくなってきて、ぎゅっと抱きしめれば体全部力を抜いて頼ってくれるようになり。
このタイミングでお家デート。
しかも、
「ごめんなさい、今日は家族みんな出かけてしまって。お茶の用意をしてきますので、待っててください」
これであらぬ期待をするなという方が殺生ではなかろうか!
「やべぇ、緊張してきた……」
いやまさかあの純真で無垢で可憐な小十郎子が自分からそんなはしたない誘いをするわけがないだろう悪魔め!目を覚ませ穢れきった青少年よ!!邪は悪!!
とか何とか、理性(風紀委員の浅井先輩っぽい)は叫んでいるものの。
すげぇ念入りに歯磨きしてシャワー浴びてきちまった俺……。
煩悩丸出し準備万端な自分が怖い。
とりあえず落ち着こうと小十郎子の部屋を見渡す。小十郎子のしているヘアピンと同じリボンをつけたうさぎやくまのふわふわぬいぐるみ、レースと小花模様のカーテン、クッションには可愛らしいアップリケ。全身鏡もリボンで飾られている。窓辺には小さなキオエニウムの鉢植え。清潔そうなベッ…………
ごくり。
「お待たせしました」
「うぉあ!!おっ、おおぉおう小十郎子!ぐっどすめるだぜいやお茶がな!!?」
「?」
きょとんと首をかしげる小十郎子に、なけなしの理性をかき集めたスマイルを送りつつ、ティーセットとケーキを乗せたトレイを受け取ってそっとテーブルに乗せる。
危なかった。もう少しで涎をたらしてニヤニヤするところだった。
そんな政宗の心の声など知らず、小十郎子がほにゃんと微笑む。
「政宗様、紅茶にお砂糖は入れますか?」
「ん、いや、ケーキがあるしストレートでいいぜ」
ポットからきれいな紅い雫が落ちてくる。最後の一滴まできっちり注いで、カップが差し出される。
「はい、どうぞ召し上がれv」
「いただきますv」
でへ!
この場にもし佐助や元親がいたら、思いきり鳥肌や蕁麻疹を浮かべておぎゃー!!と叫んだかもしれない。いやある種のドリームを抱いている元親ならば、お付き合いってったらこれだよこれ〜と和んでくれただろうか。
しかしここには政宗と小十郎子だけ。政宗の力一杯やに下がった目尻と鼻の下を指摘する者は誰もいなかった。
二人で和やかにシフォンケーキと紅茶を楽しむ。他愛ない会話の合間に、ちょっと指先を繋いでみたりして。
ケーキの方がもう勘弁してくださいと土下座したくなるあんま〜〜〜い空間の中で、小十郎子がふと手を止めて俯く。
「あの、政宗様。笑わずに聞いてくださいますか?」
「何だよ、俺が小十郎子のこと笑ったことあるか?何でも言ってみろ」
下心をきれいに押し隠した、完璧に紳士な笑顔で安心させようと頷くと、小十郎子はぽぽっと頬を染めてはにかんだ。
「このケーキ、小十郎子の手作りなんです。彼氏ができたら、手作りケーキで一緒にお茶するの、小十郎子の夢だったので」
五本の指先を合わせて、えへへと照れ笑いする。
「こんな怪力女じゃ絶対叶わないって諦めてたのに。政宗様に叶えていただけて、小十郎子は幸せものです」
その言葉を聞いた瞬間、政宗の脳裏で、ぷつんと何かが切れる音がした。
浅井先輩さようなら!ケダモノで何が悪い!!
「きゃっ……ま、政宗様!?」
「小十郎子…!」
「や、どうし……きゃあ!そんなとこ」
「いいだろ小十郎子、俺もう」
「いいって、もうって、政宗様…!?」
「はぁ、たまんねぇ…マジで欲しい」
「きゃ……や、やっ……!!」
「ごるぁあああああてめぇいい加減にしとけやクソガキがーーーー!!!」
叫んで政宗を拳で張り飛ばしたのは、服を押さえて縮こまっている彼女ではなく、ドバターン!とドアを蹴り飛び込んできた謎の青年だった。
思いきり血の上った状態で冷水をぶっかけられた状態の政宗は、呆然とその人を見上げる。
サラサラした栗色の髪に、茶色の瞳。背は政宗より高いが、その整った面差しはどことなく、何となく、それとなく……
「お、お兄ちゃん…!」
あ、やばい。生命の危機だこれ。
この後政宗が生きて帰れるのか、二人の行く末がどうなるのか。語るも恐怖、聞くも苦難の日々が始まるのだが……。
え、もっと聞きたい???
特にシリーズ指定がなかったのと、こじゅこが可愛いとご感想いただいておりましたので、
可愛いといえばロリこじゅこかしらと独断で暴走しましたごめんなさい楽しかった(笑)
このこじゅこは乙女ちゃんなので、らぶいちゃしやすいはずなんですが、その分周囲に障害が多いという設定です。
今後も色々あるかも…いや、そのくらい苦労した方が愛が深まるから…ね!(苦しい)
また機会があれば書きたいです。楽しいリクエストをありがとうございました!!